RPAコラム
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RPAとAIの違い

(更新日:2024年6月6日)
RPAが、ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略称で 、「ソフトウェアロボットを用いて定型作業を自動化するツール」だとすると、AIは、「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略で、所謂ロボットの脳の部分を指す「人工知能ツール」です。
どちらも業務の効率化や自動化に関わる技術ですが、その役割や機能には明確な違いがあります。
以下に、RPAとAIの違いについて詳しく説明します。
01RPAの特徴と主な用途
(特徴)
ルールベースの自動化
明確なルールや手順に基づいた反復的なタスクを自動化
(データ入力、データの抽出、レポートの生成など)
ノンインバシブな統合
既存のシステムやアプリケーション変更を加えることなく、簡単に導入可能
スケーラビリティ
業務量の増加に応じて、ボット(ソフトウェアロボット)の数を容易に追加が可能
操作のトラッキング
全ての操作が記録されているため、監査やコンプライアンスの要求に対応し易い
(主な用途)
- データ入力と転送
- 請求書処理
- カスタマーサービスの基本的な対応
- 人事業務の自動化
02AIの特徴と主な用途
(特徴)
学習能力
データを基に学習し、パターンを認識したり、予測を行う
機械学習やディープラーニングを通じてより複雑な判断や意思決定が可能
適応性と進化
AIシステムは、経験や新しいデータに基づいて継続的に進化するため、変化する環境や新しい問題に適応可能
非定型的業務の処理
複雑で曖昧なタスク、例えば自然言語の理解や画像認識、予測分析など、定型的ではない業務も処理が可能
予測と判断
データ分析やパターン認識を基に、将来の予測や複雑な判断を実行
(主な用途)
- 画像認識と処理
- 自然言語処理(チャットボット、音声アシスタント)
- 予測分析(需要予測、リスク管理)
- 自動運転車
- 医療診断支援
03RPAとAIの違い

RPA | AI | |
---|---|---|
アプローチ の違い |
固定されたルールや手順に従って業務を自動化 反復的で明確な手順がある業務に適している |
データから学習し、適応していくことで複雑で変化するタスクを処理 予測や高度な判断を伴う業務に適している |
実装の容易さ | 比較的簡単に実装可能 既存のシステムに影響を与えずに導入できる |
データの準備、モデルの訓練、評価が必要であり、通常はRPAよりも複雑で時間がかかる |
タスクの種類 | 定型的で反復的なタスクが得意 (請求書の処理やデータ転送など) |
非定型的で、パターン認識や予測を伴うタスクが得意 (カスタマーサポートでの問い合わせ対応や画像診断など) |
インテリジェンス のレベル |
「決められたことを正確に実行する」ためのツールのため、高度な判断や学習は行わない | 「学習して進化する」能力を持ち、データから新しい知識を獲得し、より賢明な決定を行う |
04RPAとAIの融合
以上のように、RPAとAIについて説明しましたが、最近では、RPAとAIを組み合わせたインテリジェントプロセスオートメーション(IPA)という概念が注目されています。
これは、RPAのルールベースの自動化にAIの学習能力や判断能力を統合し、より高度な業務の自動化を実現するものです。
例えば、AIを使ってデータを分析し、その結果に基づいてRPAが自動的に次のステップを実行する、といったシナリオです。
このように、RPAとAIはそれぞれの強みを生かしながら、業務の効率化や自動化に貢献しています。企業は、業務の性質や必要な自動化レベルに応じて、これらの技術を適切に選択し、組み合わせることが重要です。