RPAコラム
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RPAが注目されている背景
(更新日:2023年6月19日)
RPAが昨今、注目を集めています。
その背景には、日本におけるビジネス環境の変化と、コロナウィルス蔓延などの経済危機が考えられていますが、具体的に5つの要因を紹介します。
01少子高齢化による労働人口の減少
(深刻な人手不足)
昨今、人口に占める高齢者の割合が増加し、また出生率低下によって若者の人口が減少しています。 これを「少子高齢化」と呼びますが、経済の停滞や増税による収入の減少、子育て罰といわれる社会風潮などにより、 この「少子高齢化」は今後ますます深刻化すると見られています。 若者の人口が減り続けるということは、日本の労働人口が減少し続けることを意味しています。
それは特に地方で顕著になると考えられます。 地方の多くの若者が、賃金の高さや利便性・自由を求めて東京へ移住するようになると、 地方では一人当たりの業務負担が大きくなるだけでなく、今まで以上に人材確保が困難になると考えられるからです。
人間に代わってより効率的にかつ正確に作業することが可能なRPAは、この深刻な人手不足の解消に繋がると期待されています。
02働き方改革
(働き方の多様化)
ライフスタイルの多様化や新型コロナウイルスの蔓延によって、テレワークや時短勤務、フレックスタイム制度、副業制度といった働き方の多様化が進んでいます。 この働き方の多様化を進めることで、新しく雇用が増えたり、すでに働いている層の生産性の向上が期待できると言われています。
そして更にRPAを導入することで、単純作業を減らし、その作業に従事していた社員の労働時間を削減、その労働時間をより人間にしかできない業務へとシフトすることで、より生産性が向上するという好循環が生まれます。
03DXの推進
(IT化の先へ)
DX(デジタルトランスフォーメーション/Digital Transformation)とは、デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことを指します。
これまで行われてきた企業のIT化は、既存の業務プロセスの効率化やコスト削減・品質向上を目的としていましたが、DXはそのIT化を当たり前のものとして、
さらに製品・サービスやビジネスモデルの変革を通じて、企業の成長を目指すものです。
企業がこれからもビジネス環境や競合他社が変化していくと思われる中を勝ち進むためには、 RPAのようなデジタル変革の推進が必須となります。
04グローバルビジネスにおける競争力の必要性
(海外市場への進出)
国や地域を超えて仕事を行う、所謂グローバルビジネスを行う海外の企業が、日本の各業種に参入しています。 その海外企業の多くが、より業務の効率化や生産性の向上を求め、RPAを導入しています。 日本企業はそういったグローバル企業に競り勝つためにも、RPAの導入が不可欠となります。
そして、日本企業もRPAの導入によって業務効率化を可能にできれば、日本企業が海外進出することにも繋がり、市場を増やすチャンスとなり得ます。
05「2025年の崖」に向けての対応
(IT版2025年問題)
「2025年問題」とは、主に「団塊の世代」(1947~1949年の3年間に生まれた800万人以上の人々)が後期高齢者(75歳以上)になることで、
医療費の自己負担が3割から1割へと減額されるため、その減額された負担分が現役世代の社会保障負担を増大させてしまうといった影響を指します。
一方「2025年の崖」とは、日本企業がDXの取り組みを十分に行わなかった場合、最大12兆円の経済損失を生じさせ、
国際競争から取り残されてしまうという警告を指します。
日本企業で使われている基幹システムのほとんどは1990~2000年代に開発されたものです。今これらの多くが老朽化しています。
またシステム自体が業務に合わせてカスタマイズされて複雑化しているため、そのシステムを操作し運用・保守できる人材が減少しています。そのためメンテナンスを行うことも、新システムへの連携も難しくなっていくと見られています。
また2020年にWindows7のサポートが終了し、2024年には固定電話網PSTNが終了すると言われています。そして多くの日本企業が導入しているSAP社のERP(Enterprise Resource Planning)が2025年にサポートを終了する予定でした。 (現在は2025年の崖を避けるためサポート終了は2027年と延長されました。)
2025年以降のITシステムの老朽化やIT人材の不足、業務管理システムなどのサポートの終了によって起こりうるERPの移行・乗り換えが スムーズに行われなかった場合に増大する業務停止のリスクに対し、早急のDX推進などの対策が必要となります。
このように、多くの企業がRPAに注目する背景には様々な要因が絡み合っています。
RPAは一部分だけなど比較的取り入れやすいツールであるため、独自のシステム開発を行わなくても手軽にRPAシステムのパッケージなどで導入できます。
そのため今後はますますRPA市場規模が拡大していくと考えられます。