RPAコラム
column
RPAと他の自動化ツールとの違い

(更新日:2025年1月7日)
はじめに
業務効率化や生産性向上を目指す中で、RPA(Robotic Process Automation)は注目をされています。
しかし、自動化を実現するツールにはRPA以外にもマクロ(VBA)、API連携、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)、そしてAIツールなど様々な種類があり、「どれを選べばいいのか?」と悩む企業も少なくありません。
本記事では、RPAと他の自動化ツールの違いをわかりやすく解説し、それぞれの特性や使い分け方をご紹介します。
01自動化ツールの主な種類と概要
自動化ツールは、大きく以下の5つに分類できます。
自動化 ツール |
特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
RPA | 画面操作を人間の代わりに 自動で実行 |
複数システム間の 定型業務の自動化 |
マクロ(VBA) | Excelや特定アプリ内の操作を 記録・自動化 |
表計算、データ整理、反復作業 |
API連携 | システム同士を連携させ データ交換を自動化 |
CRMやERPのデータ連携 システム統合 |
BPM | 業務プロセス全体を 最適化・管理 |
ワークフロー全体と 改善と自動化 |
AIツール | 判断や予測など非定型業務を 自動化 |
文章理解、画像認識、異常検知 |
02RPAと他の自動化ツールの違い
それぞれの自動化ツールは「何を自動化するのか」「どの範囲に強みがあるのか」が異なります。
以下で、具体的な違いを比較します。
1 RPAとマクロ(VBA)の違い
項目 | RPA | マクロ(VBA) |
---|---|---|
自動化範囲 | 複数アプリケーションや システムを横断 |
Excelや特定アプリケーション 内に限定 |
プログラミング | 基本不要 (ノーコード/ロ―コード) |
プログラミング知識が必要 |
柔軟性 | 高い (GUI操作も含めて自動化可能) |
低い(UI変更に弱い) |
利用例 | データ入力、複数システム への転記 |
Excelの表計算や反復作業 |
POINT
RPAは、Excelだけでなく、ERPやWebシステムなど複数のツールを横断的に操作できる点が大きな違いと言えるでしょう。
2 RPAとAPI連携の違い
項目 | RPA | API連携 |
---|---|---|
自動化範囲 | 画面操作を模倣して データを処理 |
システム間で データを直接連携 |
導入の手軽さ | 手軽 (ツールを使えばすぐに導入可能) |
開発・連携設定が必要 (プログラム必須) |
柔軟性 | 高い (GUI変更にも比較的対応できる) |
中程度 (APIが提供されている範囲内) |
利用例 | データ入力や 画面遷移の代行 |
CPMとERPを連携し 顧客データ交換 |
POINT
RPAは「APIがない古いシステム」でも、画面操作を自動化できる点が強みですが、 API連携はシステム同士のデータ連携を高速かつ安定的に行える強みがあります。
3 RPAとBPMの違い
項目 | RPA | BPM |
---|---|---|
対象範囲 | 定型業務の一部を自動化 | 業務プロセス全体の管理・最適化 |
柔軟性 | 高い (特定タスク単位で自動化) |
高い (フロー全体を統合し管理可能) |
導入目的 | 繰り返し業務の効率化 | 業務の可視化 改善と全体最適 |
利用例 | データ転記、請求書処理 | 承認フロー、タスク管理 業務分析 |
POINT
BPMは「業務全体の見直し・最適化」を目的とするのに対し、RPAは「業務の一部分」を素早く自動化するツールです。
4 RPAとAIツールの違い
項目 | RPA | AIツール |
---|---|---|
自動化範囲 | 定型業務の自動化 | 非定型業務や判断が必要な作業 |
特徴 | ルールベースで動作 | 学習して予測や判断を行う |
利用例 | データ入力、転記作業 | 文章解析、異常検知、画像認識 |
POINT
AIツールは、高度な判断や予測が必要なタスクを自動化しますが、RPAと組み合わせることで「判断~作業」の自動化フローが実現します。
03RPAと他のツールの効果的な使い分け
RPAは単独でも協力なツールですが、他の自動化ツールと組み合わせることで、さらなる効率化が期待できます。
- RPA + マクロ
- RPA + API連携
- RPA + AI
Excel業務の前処理をマクロで自動化し、後処理やシステム連携をRPAで実行
システム間データ交換をAPIで行い、画面操作が必要な部分をRPAが担う
AIがデータを解析し、RPAが実行するフローを構築
まとめ
自社の課題に合った自動化ツールを選ぼう
RPAをはじめとする自動化ツールは、それぞれ得意分野や用途が異なります。
自社の業務課題や目的に合わせて適切に選定・組み合わせることで、最大の効果を発揮します。

RPAを軸に、他のツールも柔軟に活用しながら、業務効率化をさらに加速させましょう!